足立康史議員と荻上チキ氏の、外国人実習生の死亡率に関するやり取りと、その反響が全く理論的でなく最高に面白い。
俺がまず最初に見たのがこれだった。
間違ってたらご指摘いただきたいのですが、20万人以上いる技能実習生のうち亡くなられる方が年間20人強ということは、死亡率(人口千人あたりの死亡者数)は、0.1人となるはず。リンクによると日本人の死亡率が0.5人くらいだから、日本人の死亡率の5分の1に相当。https://t.co/02jwCArCsO https://t.co/mA0GrkPHkW
— 足立康史 (@adachiyasushi) 2018年12月6日
まず「ん?」と思ったのが死亡率。日本の0.5人って低いな・・・と思ってリンク先をたどったら、なんと日本人35歳の死亡率をかなり丸めた数字らしい。
で、これに対応して噛み付いたのが荻上チキ氏。
間違ってるのでご指摘します。
【1:数値の比較対象の問題】
何かを比べるなら、条件を揃えるためにの各種調整しなければ意味がありません。例えば技能実習生は年齢が若いため、若年労働者の労災死、若者の過労自死を「参考」にするなどです。その手続きなく日本人全体と比較するのは不適切です(続 https://t.co/dmDjgXVwBR— 荻上チキ (@torakare) 2018年12月7日
これを読んだ第一印象は、「多分日本人全体の死亡率と勘違いしてるな」だ。まぁ、確かに比較条件は全く揃っていない。揃っているかもしれないのは年齢だけだが、これも全く確証はない。
面白いがこの後の流れだ。関連Tweetはほとんど具体的な数値を示さず、やれ足立がおかしいチキはさすがだみたいなのばかり。唯一使えるデータに見えるのがこれ。
ここに死因がありましたが、
ベトナム21才♂同僚に包丁で
ベトナム29才♂同僚に包丁で
中国33才♂何者かに刃物で
中国18才♀ホテルで絞殺
なお、同僚の国籍は不明ですね pic.twitter.com/OUDnacobxT— Manami Ichi (@Manaming1) 2018年12月7日
この表を斜め読みすると、日本で言う「労災」に近いもので死亡したのは13人(報道では12人)、年度別では平成27年8人、平成28年2人、平成29年3人である。平成27年から急激に減少しているのは何らかの指導があったため(もしかしたら認定基準が変わった?)と思われる。これを外国人労働者数26万人で割ると0.016人である。
対して、日本の労災死亡人数は平成29年で978人、労働者数は6530万人らしい。これらから導き出される死亡率は0.015人。全然変わんねーじゃねーか。ただし、日本のデータは年齢別に出ているわけではないので、このあたりでどのくらいデータが変わるかは全く不明。
ただ、ちょっと気になるのが厚生労働省で出している外国人労働者数が平成29年では128万人、技能実習生26万人弱になっているところだ。
同じ資料から読み解くと、休業4日以上の労働災害は日本人120,460人(労働者数6530万人)、外国人2,494人(労働者数1,278,670人)、技能実習生639人(実習生数257,788)で、それぞれ1000人あたりにすると日本人1.84人、外国人1.95人、技能実習生2.48人となり、技能実習生の労災事故が明らかに多い。ただ、これだけでは何が理由なのかは全く判断できない。
みんなデータも持たずによく議論できるなーと感心する次第。安全より安心なんて言葉に踊らされるよねこれじゃ。