某焼肉チェーン店の集団食中毒で4人が死亡した。なくなられた方のご冥福をお祈りする。
さて、この事件以降、行政等の指導を強化すべきだといった論調が多く見られるようになった。そればかりでなく、先日の朝日新聞には「食中毒を起こした業者・卸売業者は某フードサービス協会とか某食肉卸売協会とかに加盟しておらず、目が届きにくかった」というような事も書かれていた。
ちょっと待ってほしい。規制を強化したり関連団体に加盟すればこのような事故は防げると本当に思っているのだろうか。そうだとしたらお目出度いかぎりだ。こんなことを真面目に思っているのであれば、実態をよくわかっていないとしか言いようがない。
まず規制であるが、規制を強化するためにやらなければならないのは「厳格な抜き打ち検査」になるだろう。しかし実態はというと、保健所の指導や検査は予め通達があり、抜き打ちに検査が行われることなどありえない。大きな企業になると自前で食品衛生検査を行う部署を持つことも多いが、そこに保健所OBとかを受け入れることで有利な立場を作れる事が多い。これはほぼ食中毒だろうというようなグレーな事故でも、OBが保健所に働きかけることでもみ消されることも多いのである。このあたりはまさに情報戦で、大きな病院や保健所などから内々に情報が入るパイプと、マスコミへ圧力をかけられる実力者のコネがあれば世には出ない。というか、食中毒認定の仕組み自体が病院などから保健所へ一報があって初めてスタートするので、最初の段階で止まってしまえば無かったことになってしまう。
関連団体などをアテにするのも大きな間違いだ。ああいう団体は会費だけ徴収して定期的に印刷物などを送りつけてくるだけだ。はっきり言ってしまえばクソの役にもたたないというのは言いすぎだが、睨まれると面倒なので加盟しているだけなのである。というか、これもまたなんちゃらOBとかに金を流す仕組みでしかない。そんな官民一体となったクサレ癒着体質に何が出来るのか。
食中毒はある一定の確率で必ず起こるものと考えていた方がよい。このあたりは交通事故と非常によく似ている。日本は昔、交通事故をどうやって少なくするかという研究発表の場で、「交通事故を少なくするには取り締まりを強化すればよい」という発表をして失笑を買ったことがあるらしい。今回の話もそれにソックリである。
細菌は目に見えない。だからこそしっかりとした知識を持った人間が調理しなくてはならない。特に多数の人間に食を提供する立場のものは、何はなくとも衛生管理だけは徹底させなければならない。チェーン店であればなおさらだ。食を提供する者にとっては食中毒は死を意味する。マクドナルドとかで食中毒の話を聞いたことが無いのはそういう恐怖心が根底にあるからだ。それが出来ないのであれば市場から消えてもらうしかないのである。
官に責任を持たせると高コストになるのは、今の日本を見れば明らかだ。官はこういう「お前たちがやれよ」話を待っているのだ。やるからには金もかかるし仕組みも必要と言いつつ着々と天下り先を増やしていくのである。一方では「天下りイクナイ」とか言いながら、もう一方では「お役人様お助けくだされ」とか、一体どういう神経でこういうことが言えるのか俺にはよくわからん。
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