ウイルスを「死ぬ」とは言わない

以前からものすごく気になって仕方がないのが、ウイルスが死ぬって言い回しだ。ウイルスと言っても電子的なウイルスではなく、今回の豚インフルエンザウイルスのように物理的な実体を持ったウイルスなんだが、このウイルス、生物学上は「非生物」とされている。

詳しくはウイルス – Wikipediaなどを見てほしいが、この記事の概要冒頭でも

ウイルスは細胞を構成単位としないが、他の生物の細胞を利用して増殖できるという、非生物と生物の特徴を併せ持つ。現在でも自然科学は生物・生命の定義を行うことができておらず、便宜的に、細胞を構成単位とし、代謝、増殖できるものを生物と呼んでおり、細胞をもたないウイルスは、非細胞性生物または非生物として位置づけられる。

とある。ウイルスは単体では自己増殖できないのだ。生物ではないのだから、死ぬという言い回しは明らかにおかしい。

そもそも生きていない物は殺せないのである。感覚的には「停止させる」のようなニュアンスでの「ウイルスが死ぬ」なのだろうが、こういう細かい点に留意しないからウイルスと細菌の違いも判らない輩が増えるのだと思う。

だから、今回の豚インフルエンザの報道にも出てくる「ウイルスは70度以上で調理すれば死ぬ」というのは表現として適切でなく、「ウイルスは70度以上で調理すれば破壊される」などと表現するべきではなかろうか。

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