質問者と回答者のマナーで納得できないことについたブコメなどを見ながら、うーん、ちょーっと違うんだよなぁという感じが強くなったので追記。
まず、自分で調べるということについてだけれども、先のエントリにも書いたとおり、自分で調べるスキルを持っている人は思った以上に少ないものです。なぜ調べられないかというと、
検索エンジンの効果的な使いかたを知らないからという理由がまず思い浮かびます。さらに、調べることが下手な人を観察すると、検索窓に入れるキーワードがたったひとつの場合が多いようです。ひとつのキーワードで検索するもんだからトンデモナイ数のページがヒットしてますます混乱、パニクって以降検索には手を出さないという必殺パターンにはまるといった感じでしょう。こういう人はキーワードを複数入れて検索する、いわゆるAND検索を覚えれば技術的には改善する可能性があります。
もう少し深刻な人は、
検索エンジンを知らないようですね。知らないというより
使う気が無いという感じかもしれません。トップページにあるYahoo!は見たことあるけど、そこから先が・・・みたいな人ね。まぁ、これも経験と慣れが解決してくれるかもしれません。
根本的な問題はそんなところじゃないんです。調べられない人に共通しているものすごく大きな問題は、とにかく「
言葉を知らない」という事です。言葉を知らないから現在遭遇している困難を言い表せないのですよ。マンツーマンで実際にヘルプする場合にはその会話の中からその困難に対する処方箋を捜し出すことも可能ですが、言葉を知らないから手助け無しに探すことなどとてもじゃないが出来ません。そんな人に「ぐぐれかす」は所詮無理なのわかんないかなぁ。いや、わかっていてもワザと突き放しているのでしょうけれど。
言葉を知らないというのは単なる現象面での事ですが、言葉を知らないということの本質を言えば、その言葉の内容を全く理解していないという事です。その逆に、言葉を知っていることはその事をおぼろげながらも知っていることで、自分で調べられる人と言うのは、もともとそれなりに基礎的な知識はある人なんですよね。調べない人は単に
目の前の障害を乗り越えればそれで良しという人がほとんどですから、いつまで経っても基礎を理解しないし理解する気もないのですよ。「まずは自分で調べる」という言葉には、そういう調べない人の本質についての認識が余りに足りないような気がします。そういう意味では「ぐぐれかす」と反応するのさえ余計な行為で、「カスは捨ておけ」を実践するべきかもしれませんね。
自分で調べて解決する人は、その情報を探り当てる能力が非常に高いものです。自分で解決できない人は、同じキーワードで検索しても出てきた情報をしらみ潰しに見ていくことが多いようですが、自分で解決しちゃう人は鼻が効くとでも表現したらいいのでしょうか、ヒットした情報の中から有益な情報を少ない手数で引き出す確率が高いように感じます。さらに、検索キーワードが適切ですから、初期段階での絞りこみも申し分ありません。さらにさらに、そのページをぱっと見て素早く有益か無益かの判断を下してしまうんですね。おそるべし。
こういう差は、実際はなかなか埋まりません。ローマは一日にして成らずの例えのとおり、永年かけて蓄積した経験とポインタの数には圧倒的な差がありますからね。だから専門家が飯を食っていける訳で、「まずは自分で調べましょう」が本当に正しく誰でも簡単に実現可能であれば専門家など必要ありません。
Q&Aや掲示板で「マナー」が取りざたされる理由は、「
無償」ってことがキーワードかもしれません。有償であれば自分でどうにかしようと考える人も増えるかもしれませんが、無償であるが故に自分のコストだけを引き下げようとする輩も当然出現します。そういう「
自分だけ良かれ根性」が
絶対サポセン黙示録のような笑い話や
質問者と回答者のマナーについてとか
教えて君と屑回答者のような話を生んでしまっているのかもしれませんね。
まぁ、とにかく基本を覚えようとする気の無い人多杉。そういう人はこんな不便なパソコンなんて使わないで変な動作をしないケータイとか今は亡きワープロ専用機とか使っていたほうが幸せだと思うし、使うのなら回りに迷惑を掛けないよう覚悟して取り組んでほしいと思う今日このごろ、みなさんは如何お過ごしでしょうか。体だけは気を付けてくださいね。
[関連エントリ]
質問者と回答者のマナーで納得できないこと
技術系メーリングリストに何を求めているのか