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2009年05月07日

「日本が終わっている本当の理由」で思い出したこと

[Man of Kind]
日本が終わっている本当の理由を読んで、ふと思い出した事があった。

あれは俺が大学生のころだった。俺のバイト先の先輩で、秋田出身のものすごく訛ったものすごく人のいい人がいた。仮にSさんとしよう。Sさんはやさしいというより気が弱いといってもいいくらいの人だったが、根は真面目で馬鹿がつくくらい正直だった。だけど仕事はイマイチで、割を食うので一緒に働くのは勘弁して欲しかったが人間性は嫌いではなかった。

Sさんは普段は借りてきた猫のようにおとなしいが、何とかという宗教にハマっていた。通常は気弱なのだが、宗教の話になると目を輝かせて生き生きとしゃべりかけてくる。ちょっとしたきっかけから勧誘してくるので、宗教なんて糞喰らわっしゃいな俺は、宗教臭がするとさっさと距離を置いていた。

ある日、店の中で客同士の殴り合いの喧嘩が起こった。特に珍しいことでもないのでほうっておいたのだが、Sさんだけは真面目なだけにオロオロしている。その姿をみたアルバイトの一人が、Sさんに向かってニヤニヤしながらこういった。
「Sさーん、得意の手かざしであの喧嘩止めてくださいよ。」
がびーんである。よくもまあそんなうまいこと思いつくもんだと俺は感心した。しかし、本当に驚いたのはその後で、なんとSさんは「よーす」の小さな掛け声のあと、その喧嘩をしている客の方向を向いて手をかざし、なにやらブツブツつぶやき始めたのである。そんなことで喧嘩がとまるわけはない。しかしSさんは一心不乱に手をかざし念じている。

そのうち誰かが通報したのだろう、警察がやってきて喧嘩は収まった。手かざしで止めてくれといったアルバイトは、それ見たことかと言わんばかりに勝ち誇った笑みを浮かべSさんにこう言った。
「Sさーん、全然止まらなかったじゃないですか。」
その言葉に、Sさんはこう答えた。
「うーん、すぎょうがたんねがった。(修行が足りなかった)」
みんな大爆笑である。このSさん、手かざしで喧嘩を止められると真面目に思っていたのである。

しかし、良く考えると非常に恐ろしいことだ。なぜそこまで盲信できるのか。Sさんが教祖に「死ね」と言われたら死んでしまうかもしれない。「殺せ」と命じられたら殺すかも知れん。そう思うと、この気弱なSさんが恐ろしくなった。そこまで信じさせる宗教とはいったいなんなのか。

この時以来、宗教をバカにしていた俺は考えを改め、宗教の恐ろしさを心に刻み、宗教には絶対に近寄らないことを心に決めたのである。恐い恐い。


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posted by oyajiman at 2009年05月07日 23:00:00



コメント

ta

んだっすな。
2009年05月07日 23:46:51

音無しひろ

そうですね。
2009年05月17日 17:27:57

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