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2005年08月27日

商品価値は値段で決まる

[つれづれなるままに]
安売りはするなのお話。

以前の安売り攻勢は影をひそめてしまった感がある。なんでだろう?理由は簡単だ。安売りで損したからだ。

不景気で財布の紐がおもいきり固くなってしまっていたから、まずは値段を引き下げて少しでも売上を取ろうとするのはわからなくもない。確かに安売りは一時期的な効果はある。

だが、良く考えて欲しい。日本の流通制度はあまり変わっていない。よほどの資本力がない限り、一般的な企業は相変わらず中間卸に頼らざるを得ないのが実情だ。自前で独自仕入のルートなんて開発するヒマも金もないのである。だから、為替相場の影響などが大きく出ない限り、物の仕入れ値はそんなに動かないのだ。

では、安売りすれば売上が上がるのか?

安売りして売上があがるわけはない。そもそも値引きなんて今まで1000円だったものを900円にしたって爆発的に売れるもんじゃない。今まで1000円のものを500円で売ったら、それは売れるだろう。だが、前とおなじ売上をあげるためには2倍売らなきゃならないのだ。顧客が今の2倍になるなんて、普通の感覚だったらありえない。そうして売上は次第に落ち、商品単価が下がった分、値下げ前のレベルをはるかに下回っていくのだ。

そのくせコストは増大する。値下げによって相対的に仕入の割合は増え、数がさばけた場合は人件費等の販売コストも増大する。良くて収入は微増、支出は増大。一般的には収入も減少、支出は大幅増大だろう。利益なんてあがるわけはない。

最大の問題は、今まで1000円の価値で見られていたものが500円の価値にしか見られなくなるということだ。カッコよく言うと、値下げはブランドイメージを損なうのである。某ハンバーガーショップを思い浮かべればよくわかっていただけると思う。今まで1個180円だったものが、100円やそれ以下で爆発的に売られた。今では「これって100円だったよな」でしか見られない。180円の価値があったものが、100円でしか見られなくなってしまったのだ。

一旦値下げしたものを再び元の値段に戻すのは非常に難しい。イメージが出来上がってしまっているからだ。値上げしたらさらに売上は落ち込む。商品を変えずに価格をいじるのは愚かなのである。

そのことに気が付いたから、今は「新商品を投入して値上げ」の流れに入っているのだ。コンビニの弁当だって、付加価値をうたい以前より2割以上上がっている。だが、いいものは高くてもそれなりに売れるのだ。

付加価値をつけそれなりの値段で売ることがブランドイメージを構築していく。高い金を払うからこそ、お客の目も厳しくなる。売る側買う側で切磋琢磨することで、ますますブランド力がアップしていくのだ。

値段を下げればお客が来ると思っているそこのアナタ。そんなこと考えていると店がつぶれますよ。商品の価格はその店の命ですからね。

[関連エントリ]
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posted by oyajiman at 2005年08月27日 19:53:08



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