このマシンは「鶴」と呼ばれていた後輩が乗っていた。そいつは難関といわれた限定解除を3回くらいであっさりパスしてこのマシンを購入した。正確に言うと購入してから限定解除した強者だ。この後輩とはよく走りに行った。2人でツーリングにもよく出かけたのだが、寝る場所がなくてラブホテルで一緒に寝たこともある。こいつとのツーリングは結構波長があって楽しかったのだが、これだけはあまりうれしくなかったなー。
で、一度だけこのGPZ750Rを借りて乗ったことがある。車格はさすが750で、跨ったときの印象は「でかいなー」である。その重さと大きさで少々緊張した。ハンドルは比較的遠目だが違和感のあるものではない。
いくら仲の良い後輩とはいえ、マシンを倒したりするわけにはいかない。少々ドキドキしながらクラッチを繋ぐと、マシンはあっさりと動き出した。エンジンパワーはやはり750で、低回転からそれなりのパワーがある。とはいえ、アクセルの開け方がビビリながらなので以前に乗せてもらったZ2に比べるとかなりマイルドな加速に感じた。ハンドリングは極めてニュートラルで全くクセがない。少したつとマシンの挙動にも慣れたので少しアクセルを開けてみた。
その時の加速は「やっぱりデカい排気量はいいなぁ」と思えるものであった。しかし車体は信じられないくらい安定していて安心感は絶大だった。高速ツーリングから峠を攻めるような走りにまで十分対応できる素晴らしさだ。
「いつかは限定解除だなぁ」と痛感させられたのだが、俺が大型二輪免許を取ったのはこのマシンに乗ってから20年以上経ってからなんだよね。トホホ。