今年7月から、NTTドコモのロゴマークが変わったのは既に御承知のとおり。
NTTドコモが「新ドコモ宣言」を発表、ブランドロゴなども刷新へ - GIGAZINE
このロゴ変更、予想通り評判がよろしくないようだ。
大西 宏のマーケティング・エッセンス:やはりというか、ドコモ新ロゴタイプの惨めな評価結果 - livedoor Blog(ブログ)
バブルの頃、C.I.戦略とかなんとかうまいこと言ってコンサルタントどもが企業から美味しく金を吸い取っていったことを思い出してしまう。このC.I.変更、ロゴひとつ変えるだけでも名詞から伝票に至る全ての物を変更しなくてはならず、思った以上に金がかかる。だから吸い取るチャンスも多いのだ。その滲んできた樹液で美味しい思いをした輩も多かっただろう。今ではその費用対効果があまりないのがバレてしまったため、C.I.戦略はほとんど騒がれなくなった。また、このような路線変更は、どちらかといえば右肩あがりの時にブランド力をさらに強めるべく用いる方が効果的だと思うのだが、ドコモは出直しの手段として用いたようだ。余分な金があるんだなとしか言いようがない。
そもそもこのように大きくブランドイメージを変えようとする場合、まず最初に賊に言う
SWOT分析で組織や個人の内外の市場環境を監視、分析すると思うのだが、その分析した結果が
報道発表資料 : 新しいドコモブランドについて | お知らせ | NTTドコモということらしい。ドコモは方向性を見誤っているのではないか。
NTTドコモといえば、イメージするのは「高品質、高価格、ビジネスユース」だと思う。実際のシェアが企業、個人でどちらが多いかはわからないが、地方ではやはり「会社関係はNTT、個人はその他」みたいなキャリアイメージがある。もっと具体的に言えば、地方ではいまだに経営判断する層にNTT信仰者が多いのである。この層は団塊の世代とほぼ一致し、団塊の世代が企業の第一線から退くのと比例してNTTドコモの落ち込みが始まっていると見ていいのではないだろうか。だからドコモは企業でなく個人へシフトチェンジしようとしているのかもしれない。実際ロゴマークを見ただけでも企業から個人へ、剛から柔へというギアチェンジをしようとしているのがすぐわかる。しかし、もともと持っている強みを投げ捨てて成功できるとは到底思えない。個人を捨て、企業が喜ぶ商品やプランを醸成していった方がよほど確実に見える。ターゲットを見誤ることがどれだけ大変なことか、NTTドコモは大きな代償を払って学ぶことになりそうだ。
社名を「NTTドコモ」から「NTTドコニ」に変えた方がよさそうな気がする。