一週間ほど前から左膝が痛くなった。痛みと言っても違和感に近いものだったが、その原因は全く不明だ。2日ほど前、階段を上がっている最中に左膝に激痛が走り、その後は歩くだけでも痛みが出た。
昨日は痛みが一番ひどく、結構気になったので湿布を貼った。痛みは多少は和らいだが、あくまで対処療法なので治る感じは無い。それでも痛みが和らいだことでストレスはかなり減った。家に帰っても症状は変わらずだったのだが、根本的に治す方法もわからないので風呂に入って寝た。
俺は寝つきが早い。多分カップヌードルが出きるより早く眠りにつく。しかし昨日は少々違って寝付くころの眠りは非常に浅かった。頭の中がモワモワしていて寝付けないのだ。そのモワモワは脳への血流が多くなっているような感じで、ちょっと耳鳴りもしたりした。そのうちウトウトしていたようだが、頭のてっぺんに変な感覚を覚えて目が覚めた。
その違和感の正体はどうやら猫で、頭の上のあたりで猫がうろうろしているのである。その猫の毛が俺の髪の毛に触れているのだ。猫はたまに「ニャーン」と鳴きながら、俺の頭の回りをうろうろしているようだ。たまに痛んでいる左膝のあたりも歩いているようである。その時、頭の中に何かが入ってくるような感覚があった。何か霧のようなものがニューッと入ってきたのだ。その時なぜか俺は、その何かを「ぽっち(死んだボス猫)だ」と直感した。何しにきたんだろうとも思ったが、「おお、ぽっち。どうした?」みたいなことをつぶやいた気がする。ボス猫は何やらうごめきながら、俺の頭の中の何かを噛んで引きずり出そうとしているようだ。なにやってんのかなぁとか思いながら、俺は深い眠りに入ってしまったようだ。
目が覚めたといっても賊にいう「金縛り状態」に近いような状態で、正確には周囲の音が聞こえたような気がするというレベルだ。だからここまでの記憶のほとんどは「脳内創作」なんだろう。
朝、目が覚めると頭が割れるほど痛い。痛さで冷や汗が出るほどだ。その痛みは髄液の圧力が低下したときに似ていた。若干吐き気もした。このまま休みたかったのだが、どうしても片付けなければならない仕事があり会社は休めない。しかたがないので頭痛薬を飲んで会社に出かけた。
通勤途中、左膝の痛みがなくなっている事に気がついた。完全に良くなっている訳ではないが違和感はほとんどなくなっている。さらに時間が経つと頭痛薬が効いてきたのか頭痛も嘘のように引いてしまった。起きがけは本当にひどい状態だったが、なにかが取れたような感じで今は逆にとても調子が良く感じる。とても不思議だ。
猫は邪気を払ってくれるという話を聞いたことがある。
もしかして・・・
ただ、これは「脳卒中」とかの前触れなのかもしれない。ボス猫は憑き物を取りにきたのではなく、警告に現れたのかもしれん。しばらく自分の体を注意深く観察しておこうと思う。