我らが代表が負けた。それもPK戦で涙を呑んでしまった。危ないシーンは何度かあったが最後までしのぎきり、今大会の川島の調子を考えれば
PK戦ならもらった!と思ったのだが、サッカーの神様に言わせれば「まだ早い」ということだったのだろう。あとほんのちょっとでもう一段階段を上がることが出来たのに、その「ほんのちょっと」が世界との差なのだ。
ちょっとの差が積み重なることで大きな差になってしまう。ブラジルやドイツの試合を見ていると、スピード・パワー・正確性・判断力、全てにおいて大きな差を痛感する。その差を組織力でどの程度埋められるのか、今回の経験でその度合いは少し掴むことができた。パラグアイに勝利しスペインと真剣勝負が出来ればその差はよりいっそう明確になっただろう。そう思うと本当に残念である。それでも守備は世界と戦える目処は立った。後は守りから攻めにどうやってつなげていくかだ。
パラグアイとの大きな差はセカンドボールへの寄りのスピードではなかったかと思う。なぜあそこまでパラグアイにセカンドボールを拾われたのか。ひとつめは拾う側の判断力の速さだろう。判断の速さがそのままボールへ寄せるスピードの差になってしまった。ふたつめはクリアボールの精度の不足だ。日本のクリアボールは苦し紛れに遠くに蹴り出すものが多い。前線に人数がいないので、クリアボールを拾われる可能性はそれだけでも高い。それなのにクリアボールの精度が低い為、前線にボールが収まる可能性がますます低くなっている。さらには、バックラインから比較的余裕を持ってパスを出せるはずの状況でも、ちょっとした判断の遅さが命取りとなってパスコースは塞がれあっという間に間合いを詰められてしまう。やはり「個」の能力が少しづつだが違うのだ。
そんな事を考えながら泣いている選手を見ていると、ぐっと来るものがあった。選手は持てる力をほぼ出し尽くしたのだろう。だからこそ悔しいのだ。届きそうで届かなかったこの悔しさを、新しい代表がブラジルではらしてくれると信じたい。次こそはもう一段上にいける事を願うばかりだ。そのためにはきちんとした強化が出来る監督が絶対に必要だろう。サッカー協会の英断に期待したい。