B社は早速動いてきた。B社はなんと正式な価格提示の日に、あれこれ難癖のようなことをつけてきたのだ。
事業の譲渡は債権者の同意が得られなければ成立しません。また債権者が同意しても収益事業の譲渡によって会社が存続できなくなった場合、債権者、つまり銀行が株主から訴訟を受けることもあります。」
言われればそのとおりなのだが、とにかくB社は事業の譲渡には応じられないと言ってきたわけだ。
しかし、御社の再建に何かご協力できることがあれば、前向きに検討させていただきます。
だめだこりゃ社の経営者はピンと来ていないようだった。本当に鈍い奴らである。B社の担当はさらにいろいろな説明を加えた。
しばらくして、やっとだめだこりゃ社の経営陣はまるががえならやってもいいと言っていることがわかったようだ。
平たく言えばM&Aである。しかし財務面が逼迫しているだめだこりゃ社に選択の余地はなかった。
こうしてだめだこりゃ社は会社譲渡に向け走り出すことになったのである。