なにらや面白い本があるようだ。
この本は
『ウェブはバカと暇人のもの』に、二度、まいってしまいました:日経ビジネスオンラインで知った。早速本屋に走って購入し、2時間で読み終えた。さすがにdankogai氏のように15分とかじゃ無理だね。
上記のエントリにも書いてあったが、ネットには「怒りたい人」「吊るし上げの対象を血眼で探す人」といった品行方正で怒りっぽい人が多いらしい。自分自身のことを振り返っても確かに思い当たるフシがある。なぜなんだろう。
その昔、電話がまだ黒電話だった頃、電話のマナーについては厳しく文句を言われたものである。必ず名乗れ、誰が出るか判らないのだから言葉遣いに注意しろ、電話を掛けている時は静かにしろ、長電話はするな、などなどである。電話は顔が見えないのだから、通常より注意が必要だと言われてきた。逆に、顔が見えないのをいいことに、電話で言いたい放題の苦情(というか言いがかり)をしてくる人もいた。ナンバーディスプレイなどもなかった頃、電話の使い方に対して世間の目は厳しく、そして使う者は個人を隠して使う事もできるツールだった。
これと同じような特性を持ったツールは、やはり同じような経緯を辿っている。つまり、「固定電話」から「携帯電話」に標的が移り、そしてネットにやってきたものと考えていいように思う。なにがって?「バカと暇人」が、だ。
その昔、高校デビューという言葉があった。自分を知る人のいない高校へ進学し大きくイメージチェンジを図る事を言ったのだが、今ではあまり使われないようだ。ネットデビューもこれと同じで、リアルの自分を隠しリアルの自分とは全く違った自分を作り上げる。そんな考えがどこかにあるような気がする。そういう意味では、ネットに品行方正で怒りっぽい人が多いのでなく、ネットが品行方正で怒りっぽい人を作り出しているのじゃなかろうか。
この本ではネットが夢を叶えてくれるのは幻想だと書いてあるが、同じようにネットが変身願望を叶えてくれる場所のように感じている人は多いのかも知れない。だが、最初は固まっていないネット人格も、自分でサイトを持ったりコテハンを使ったりしているうち自然に人格が固まってくるものだ。俺は2ちゃんねるのことは良く知らないが、以前に比べると2ちゃんねるを叩く話は少なくなったように思う。それは2ちゃんねるのユーザが成熟したことと、2ちゃんねるはこういうものという一般の意識が固まってきたからだと思う。こうやって普通のツールになっていくんだろうね。
この本はサイトやブログなどを持っていて「ムカつくコメント」されたり、ネットの人間関係で困ったことがあったりした
普通以上の人が読むといいかも知れないね。