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2017年03月08日

定額残業代制度の罠

[つれづれなるままに]
ご存じの方も多いと思うが、定額残業代制度とは、予めある一定時間の残業代を定額で支払い、その一定時間数を越えるまで働いても支給される賃金は変わらないという制度だ。例えば、賃金に定額残業代20時間分を含む場合、20時間の残業までは定額残業代にて支払っているので、さらなる残業代は支払われない。一般的な感覚で言われる残業代は、残業が20時間を超える場合に支払われる。

この制度のメリットは経営側に多い。まずちょっとした残業代は定額分に内包されてしまうので管理が楽ちんだし余分な賃金が出ていかない。また、見た目の支給額は高く見せることができるが、いわゆる基本給と言われる部分は定額残業代を省くことができるので、残業や深夜手当などの割増賃金のベースになる金額を低くすることができる。ついでに言えば、賞与のベースさえ下げることができるのである。

先日、この制度を導入している会社の人と話す機会があったが、その人は「定額残業代の時間数まではしっかりと働いてもらう。」と平気で話すのだ。ちょっとまってくれ。定額残業代制度を導入したからと言って、労働基準法で定められた労働時間が増えるわけではない。定額残業代制度を導入すれば残業させても問題ないどころか、残業させなければ損だみたいな考えはどこから来るのだろう。

考えてみて欲しい。仮に定額残業代の時間数が月20時間として、これを一日の標準的な就労時間である8時間で割ったら2.5日である。定額残業代分もしっかりと働かせるということは、法定外休日2日と半分を会社に出てこいといっているのと同義なのだ。これをブラックと言わずしてなんと言おう。

挙句の果てに、「うちは儲かっていないからね」とかのたまう。いや、そんなことしているから儲かんないじゃね?と思ったのは言うまでもない。大事なのでもう一度言うけれど、定額残業代制度を導入したからと言って、労働基準法で定められた労働時間が増えるわけではないんだからね。労基に則り三六協定を結んだところまで残業させても良いし、残業を組み込んだシフトも違法ではないけれど、所定労働時間に近づける努力を自ら放棄する会社に先はないように思うのだが、どうか。


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posted by oyajiman at 2017年03月08日 22:00:00



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