「厳しくしてもらったおかげで成長できた」は本当か - 脱社畜ブログ
俺は基本的にリンク先のサイトはそんなに好きではない。なぜならあまりに労働者側にバイアスがかかった意見が多いように思えるからだ。そんなステレオタイプで見ている俺でも、この意見には大きく頷いた。
俺の友人の上司もこうなのだという。その上司はその会社しか知らず、その上社長を崇拝している。社長はとても厳しい人で、叱責しだしたら止まらない。そしてワンマンだ。全ての決定権を自分に集約させ、全てを掌握しようとする。「とにかく俺に相談しろ。」そんな社長の経営スタイルに憧れ、それを真似ようとしている。しかしそれは社長の人柄があってこそ取れるスタイルで、人を惹きつける魅力のない人間が同じ経営スタイルを取ろうとしても無理だ。それがわからない。
なぜそうなるかというと、そいつが他の経営スタイルを知らないことが大きい。他に比べるものもなく、仮に比べたとしても上っ面だけ。だから全てがおかしなバランスとなり、ますます人が離れていく。社長も多分同じようなことをしてきたんだと思う。忌み嫌われ人が離れていったことも多かったと思う。だけれど、社長は最後の最後は親身になって考えてくれる。そして自分の責任と権限でリスクを負いつつ人を守ってきた。だから社長を信じ、ついて行こうとする人もいた。人望もなく責任も取らない人間が同じ手法を取ろうとしても無理だということがわかっていない。
経験は貴重だ。いろいろな人に仕え、いろいろな人と出会い、いろいろな人を使う。知らず知らずのうちに身についたノウハウが、いつの間にか自分を守ってくれる強力な武器と鎧になる。先の上司が足りないのは、まさにこれで、同じ方向からしか攻撃されないし攻撃しないから偏った装備になってしまうのである。