友人から聞いた話。友人の会社の取引先で、とある設備に投資することになったらしい。で、工事業者から見積りをとって稟議を上げたところ、オーナー会社の方から待ったがかかったという。金額が高いというのだ。
取引先の会社はいわゆる業務委託会社で、本来ならば資本的支出に当たるようなことは行うべきことではない。とはいえ、ほぼすべてを任されているようなものなので、設備投資的なものもオーナーに稟議を上げて承認をとっている。だから稟議を上げたあとでアレコレ出てくることがたまにあるらしい。
業務委託はその契約内容にもよるが、基本的にはオペレーションを請け負う場合が多い。設備や建物などの維持管理はオーナーの仕事である。これはテナントで入っている店を考えればよく分かる。営業上必要な器具備品はテナントで入っている店が持つが、空調や水まわり、それから躯体に関わることは普通はオーナーが責任を持って行うものだ。テナントは「エアコンが効かないんだけど」とかオーナーに言えばいいだけだ。
友人の取引先の会社も、本来あるべき姿はそうなのである。躯体工事などの資本的支出に当たる場合はオーナーが責任をもって行うべき話だ。そのような責任を放棄し、業者を探して申請したら「高い」というなんてもってのほかではないのか。
とか言っていたらしい。話は筋が通っているが、裏を返せば「拒否されたのが腹立たしい」だけという話でもある。もしそのタテマエを通したいのであれば全てその手続に変えるべきだし、そうでなかったら今までどおりもう一度業者に当たって値段交渉するしかない。実務上の答えは簡単なのである。文句が言いたかっただけなんだろうなーと思った。