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2011年09月20日

東京電力がよくやっていたとしても認めたくない理由

[これでいいのか]
東京電力はよくやっているのに - 非国民通信 - BLOGOS(ブロゴス)

こういう論理も確かに成り立つなーと思う。働いている人間から見たら最高な意見だろう。かし、こういう総論賛成各論反対みたいな話を東電に当てはめるというのも如何なものだろう。

この理論には決定的に欠けているものが二つある。それは電力会社は一般的な企業ではないことに由来するものだ。ひとつはユーザに選択の自由が無いこと、もうひとつは絶対に儲かる仕組みになっているという点だ。これは携帯キャリアと比べただけでもよくわかる。

我々は携帯キャリアを選ぶ自由がある。自分の好みの機種やプランに合わせてキャリアを選ぶことが出来るのだ。この状態で、あるキャリアが「地震でアンテナや基地局が壊れたので値上げします」なんて言い出したらどうなるだろう。値上げ幅にもよるだろうが、10%値上げするなんて言われたら結構な人がキャリアの変更を検討するのではないか。キャリアはそんな事態を避けるため、あの手この手でコストを削減してそのような危機を乗り越えるに違いない。しかし、電気は違う。我々に選択の余地は全くなく、言われた値段を黙って払うしかない。

そもそも電力会社はコストの認識が違う。普通コストといえば「削減」とか「適正」なんて言葉がついて回るものだが、コストをかければかけただけ儲かる仕組みになっている電力会社にとって、コストは利益の源泉でしかないのである。そこには「削減」とか「適正」といった言葉が入る余地はない。そして、聞こえてくるのは電気料金値上げの話ばかりだ。これで「企業努力しました」と言われて「そうですか」と言う人はいるだろうか。

さらには、この東電憎しみたいな時になぜ料金値上げや賞与水準回復といった感情を逆なでするような話を出すのか。その神経は全く理解できない。のどもと過ぎれば何とやら、しばし間をおけばみんな忘れてしまっているはずなのに、なぜそういう手段をとらないのか。これこそ風評被害など関係ない「殿様商売」だから出来ることなのだが、そういう感覚のずれに企業自体が気がついていないことの表れでもある。そんな企業に「企業努力を認めろ」といわれても返答に困る。

と、ここまでは取り繕った一般論。ここからが本音。

この東電たたきの根底にあるものは妬みである。ほかより高い給料をもらい、世界を震撼させた大事故を起こしながらもお国に守ってもらい、多大なる保障が発生しても決して潰されることもなく、揚げ句の果てにかかるコストは使用者に負荷して自分達の暮らしは守るというやり方が、このままでは通ってしまうであろうことへのやるせなさである。給与資金・運転資金の調達に苦しみ、厳しい経営状態から切られた人の今後の生活を憂いながらも止む無く人を切るしか当面を生き延びる手段がなく、さりとてその先にも光を見出すことが出来ないものから見れば「馬鹿にするなコノヤロウ」なのである。そんな小市民の感情を笑わば笑え。

だから、我々が出来ることはとにかく「節電」なのだ。電気を使わず電力会社には可能な限り金を払わない。それしか対抗策はないのだ。そかし、それとて、総括原価方式がある限り無駄な抵抗でしかない。それでも電力会社に対してやれることはこれしかないのである。悲しいけれどね。


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posted by oyajiman at 2011年09月20日 23:00:00



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