ホテル仙台プラザ、建て替え頓挫し経営悪化 25日に閉鎖 :日本経済新聞
このニュースには驚いた。驚いたといっても「閉鎖」に驚いたのではない。仙台プラザの経営が危ういという話はここ数年まことしやかに言われていたことで、「閉鎖」や「売却」という話になるのは時間の問題と言われていた。だから、人づてに「プラザが閉館だってさ」と聞いても「ついにきたか」という感じでしかなかった。
では何に驚いたかというと、その閉鎖の期日だ。閉鎖の発表が3月7日で、閉鎖はなんと3月25日。その期間たるやたったの18日である。あまりにも急過ぎる。
そもそも、倒産というような話の場合、その発表は通常は金曜日の夕方とかの金融機関が営業をしていない時期を見計らって行う場合が多い。だが、今回の発表は週明けの月曜日だ。この辺りにも急激に状況が変化したことが現れている。
なぜここまで急なのか。それはこのニュースでも若干触れられているが、家主の東京海上日動火災保険の関連会社が現預金を差し押さえしたからだろう。想像するには今月に入って突然凍結されたのではないかと思う。手持ち資金は給与を払っておしまいというところなのではなかろうか。
端から見ていて「よく生き延びているなぁ」というのが素直な感想だった。資産を売って負債圧縮と一時期的なキャッシュを作りここまでやってきたのだろうが、賃料と180名の給与が重くのしかかっていたに違いない。経営者の苦悩は察するに余りある。
青木茂之会長とは知人を通して一度だけお目にかかったことがある。仙台の経済界を支えてきたであろうあの御仁には品格と威厳が漂っていたのを今でもよく覚えている。寂しい限りだ。