「あの部長はダメだ」「あの人は信用できない」「上の顔色ばかり伺っている」・・・・
上司に対する不満は尽きない。しかし、なぜ上司に不満を持つのかよく考えてみてほしい。
「あいつは働かない」「あいつは忙しくても定時に帰りやがる」「口ばっかりだ」・・・
部下に対する不満も尽きない。しかし、なぜ部下に不満を持つのか、これも良く考えてみてほしい。
よく考えると、その感情は「自分の思ったとおりにいかない」ということに収斂されていくだろう。では、なぜ思ったとおりにいかないのか。思ったとおりに人が動いてくれたらうれしい。動いてくれた人も不満を持っていなければなお良い。しかし物事はそう簡単ではない。お互い何かしら我慢をしているのが常だ。
問題はその「我慢のしきい値」がどこにあるのか、なのである。
このしきい値は相手に対する感情によって大きく変動する。嫌いな相手にはしきい値が上がり、そうでない相手に対してはしきい値が下がるのだ。これは毛虫のように忌み嫌う相手は声を聞くだけで気分が悪くなることでも理解できるだろう。逆に、信頼している相手気に入っている相手から多少の無理を言われた場合、不満よりもどうにかしようという意識の方が大きくなったりする。ほら、解決策が見えてきた。
要は相手を嫌わなければいいのだ。別に無理して好きになったりする必要はない。嫌わないだけでしきい値の上昇はぐっと抑えられる。
もう一つの解決策、それは相手と良く話すことだ。相手に納得してもらうには話すしかない。とにかく根気よく話して、自分の意志を細かに伝えることが重要だ。
さて、最初に戻ろう。なぜ不満なのか、それは自分の意志を伝えきれていないと感じるからだ。とことん話をしてもダメな場合、その相手に対して持つ感情は「不満」や「嫌悪」ではなく、相手を尊重した上での「諦め」だ。その「諦め」は絶望ではなく、相手の力量を把握できた「見切り」と言ってもいい。その見極めが出来ないから不満が募るのである。その不満は相手に投影した、見極めができない・相手に伝えきれない自分に対する不満である。
文句ばかり言っている人間を良く見てほしい。その文句の相手の名前を、文句を言っている人の名前に変えてみてほしい。あまりにしっくり来てビックリするはずだ。
じゃあの。