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2010年01月06日

オールドファッションについて

[うんちくん]
GIGAZINEにオールドファッションの記事が載っていたので、ちょっと蘊蓄。

知っている人は知っているが、オールドファッションは純然たる日本の商品。ミスタードーナツが日本に来た当初の生地は、パンみたいなイースト系、これぞ定番マシンカットケーキ、マシンカットのチョコレート番マシンカットデビルスくらいの種類しかなかったように記憶している。その後、アメリカのミスタードーナツからダスキンが営業権を買い取り、独自商品の開発販売が出来るようになった。独自開発で出てきた最初の大ヒット商品がフレンチクルーラー。その後に出てきたのがオールドファッションだ。

以前もどこかに書いたが、オールドファッションは最初冬季限定発売だった。その理由は二つある。オールドファッションはサクサク感が命であり、湿度の高い夏場は吸湿してサクサク感が失われやすいというのが理由の一つ。もう一つは気温が高いと割れにくいという製造上の理由だ。

二つめの理由については、「なぜオールドファッションが割れるのか」から説明しなければならない。

オールドファッションはマシンカットの種類で、柔らかく練った生地をドーナツの形に整形しながら油に落とす機械を使って製造する。そもそもドーナツは生地を油で揚げて作るが、その生地は口溶け感などの良さを出すため通常は薄力粉が多く用いられる。マシンカット系はほぼ例外なく薄力粉が主体なのだが、オールドファッションは強力粉を多めに使っているはずだ。これに他の生地より少ない水で固めに仕込む。ただ、これではグルテンも多く腰の強い生地になってしまうためミキサーで過剰に混ぜてグルテンを分断し流動性を高めておく。要はオーバーミキシング状態にするのだ。また、仕込む水はかなり冷たいものを使う。これで冷たくて固いが流動性は高い生地が出来上がる。

この冷たく腰の強い生地が油の中に入ると、その重さから一旦油の中に沈む。その後ベーキングパウダーの膨張とともに内部に気泡が出来るため、油の上に浮かび上がってくる。この沈んでいる時間は他の生地は20~30秒であるが、オールドファッションは50秒近くとかなり長い。

沈んでいる時間が長いため揚げていない面の表面も多少固くなっているが、生地が冷たいため、中に入っているベーキングパウダーは膨張しないまま残っている。この状態でひっくり返すと、中のベーキングパウダーが膨張してちょっと固くなった表面を破る。その割れがオールドファッションの割れだ。

つまり、オールドファッションが割れる理由は三つの要素から成り立っていて、一つめは油の中に沈んでいる時間を長くするための固い生地、二つめは表面を割るためのベーキングパウダーの膨張力、三つめは表面が揚がった後でもべ-キングパウダーが膨張しない冷たい生地だ。このどれが欠けてもオールドファッションの割れはうまく出来ない。だから気温が高いときは製造が難しいのだ。

実を言うとドーナツは本来割れやすいもので、割れていないものを作るほうが難しかったりする。割れているものは出来そこないといってもいいものであるが、オールドファッションはその出来そこないを科学的に分析し、商品化してしまったものと言ってもいい。

ドーナツは基本的に手作りなので、作る人によって多少味が変わる。おいしいオールドファッションは、割れがハッキリしているだけでなくドーナツの高さ(厚み)もある。逆に表面は大袈裟に割れているが割れていない側が白くてふにゃふにゃだったり厚みが無いものを置いている店は、揚げている最中の生地からでる気泡や色で揚がり具合を判断できない人が作っている店だ。簡単に言えば作り方が下手な店なので注意するべし。生地の配合が変わっているかもしれないので、これは通用しないかもしれん。あしからず。GIGAZINEの記事の写真は、俺の時代の基準でいうと割れすぎっぽい。生地冷やしすぎーの揚げ過ぎーのって感じ。

ちなみに、ミスタードーナツの油は常温で固まるので油こさは感じない。しかし、オールドファッション一個には20g以上の油が入っているので注意。カロリーは一日4~5個食べたら後は食べなくても大丈夫なくらいあったような気がするが、さて?


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posted by oyajiman at 2010年01月06日 23:00:00



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