第1話
第2話
それにしても、最近やっと8年のブランクが埋まってきたように感じる。夏場あたりは100km/hを越えると速く感じたが、最近はツーリングスピードに感じてしまう。80km/h程度は超安全運転といった所か。今日は体調もいいのか特にスピード感が無く、すべてが遅く感じる。やっと馴染んできたころにシーズンオフなのは悲しいが、タイヤもないのでちょうどいいだろう。
今日は峠も車がほとんどいない。まったくいないといってもいいくらいだ。先週はほとんどクリアにならなかったが、今日はオールクリアである。その気になって走ると今まで以上に所々でヌルッと滑る。路面温度も低いしタイヤもアレなので当然かもしれん。シーズン終盤でぶっとんでもしょうがないので今日は少しペースを落として走ろう。そう思うのだが、メータを見るといつものようなスピードが出ている。経験上こういう日は危ない事が多いので、ペースをさらに落とす。
2往復ほどしてまた攻めるか、それとも少し足を伸ばすか悩んだが、これが今年最期かもしれないのでもう一往復することにした。そしてそれは最期の下りで起こった。
急カーブ注意のゼブラゾーンを過ぎ、次のコーナーに進入する。そのアプローチは途中で勾配が変わるので、減速は思った以上に難しい。そのためこの時はさほどスピードを上げないままコーナーに突入する。スピードもそんなに高くないしリアタイヤは山が少ないので、フロントまかせでコーナーを曲がっていく。このコーナーは余裕でクリアのはずだった。
つづく