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2008年11月14日

社員を壊したのは誰か

[これでいいのか]
社員が壊れる【1】“抜け殻”正社員、派遣・請負依存経営のツケ:NBonline(日経ビジネス オンライン)

社員が壊れる【2】管理職が壊れる〜企業内 “多重責務者” の悲鳴:NBonline(日経ビジネス オンライン)

社員が壊れる【3】憂鬱なオフィス〜あなたは監視されている:NBonline(日経ビジネス オンライン)

社員が壊れる【4】現代のチャップリンは叫ぶ、私たちはもう限界です:NBonline(日経ビジネス オンライン)

社員が壊れる【5】社員酷使に未来はない:NBonline(日経ビジネス オンライン)

俺の回りでも記事に書かれているような状態になっているところは多い。それが顕著に表れ始めたのはバブル崩壊後数年経ってからだったと思う。

俺の勤めていた会社も同じような状況になっていた。そのきっかけは銀行の貸し渋り、貸し剥しであった。バブル崩壊後の景気低迷で会社の業績は悪化する一方だった。金融機関は当然ながら「人件費を下げれば収益は改善しますよね。収益が改善する見込みがあれば融資も考えましょう。」と、リストラだけが残された道といわんばかりに圧力をかけてくる。

その一方で、ファーストフードのような業態は業績を上げていた。このような業態はオペレーション・教育等のマニュアル化、小人数の正社員と多数のパートアルバイトという人員構成が特徴で、ある分野や商品に特化している事が成功の秘訣だ。しかし、金融機関やコンサルタントなどは、悲しいかなファーストフードなどの高い収益性にしか目がいかない。あそこで出来るんだからおまえたちも出来るだろうみたいな事をいとも簡単に言ってくるのである。

かくして、内容が伴わないまま正社員はどんどんリストラされ、その不足は有期雇用契約者に置き換えられていった。中には正社員から時給社員に格下げされてしまう者までいたのだ。しかし、労働力を低賃金者へ切替えしただけで業務の生産性が上がったわけではない。賃金単価が引き下げられただけで、それは一時的な効果しか生まないのはいうまでもない。

実務の重要な部分を担っている人達はあまり目立たず、黙々と仕事を進める人が比較的多い。また、謙虚な人が多いのか、自分の待遇に不満を持っていても表立って文句を言わない。ただ、目立たない人は忘れ去られ軽んじられてしまうのも悲しい事実である。おとなしい人からリストラ対象にされ、気がつくと会社には口ばかり達者で目立つが仕事をしない奴しか残っていなかった。当然業績もますます落ち込み、金融機関からの締め付けがますます厳しくなり、更なるリストラを進めるハメになる。絵に描いたような負のスパイラルである。

バブル崩壊時の危機的状況を味わっている経営者は用心深くなり、企業の経営状態がよくなってもその利潤を従業員に返そうとはしない。あるのは売上アップ、経費削減、生産性向上のかけ声だけだ。

そんな状態で寄せる波を乗り切るためには、どこかに大きなしわを寄せなくては無理だったのだ。それが現在の管理職クラスだと思う。この十数年間、新規採用は大幅に制限され、採用があっても中途採用ばかりである。自分の色に染め上げた部下はほとんどいない。自分の仕事を引き継ぐ者など誰もいない。管理者は多分そう思っている。



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posted by oyajiman at 2008年11月14日 22:30:00



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