8月19日付けの朝日新聞に「五輪サッカーの矛盾」という記事が掲載されていた。
この記事を書いた記者は、かなりの悪意を持っているか無知のいずれかだろう。そうでなくてはこのような事を書けるはずはない。
まず、
野球がオリンピックの正式競技になったのはごく最近のことであり、また、野球はオリンピックの正式種目になるための
「3大陸50カ国で競技が行われている」という条件を満たしていない(世界的に見ればマイナーな)スポーツであることになぜ触れないのか。日本でいくら人気があっても世界的視野から見ればマイナーな競技でしかないのである。よって、大リーグがオリンピックを軽視していることと、野球がオリンピックの正式種目から外れるのに関連性を持たせる意味など全くない。サッカーを悪者にしたいという悪意があれば別だが。
さらに言えば、
オリンピックはもともとアマチュアの祭典であった事を忘れてはいけない。しかし、アマチュアとプロの境があいまいになりつつあったこと、アマチュアだけでは共産圏だけが勝ち残ってしまうことなどの理由から
プロを解禁したのはIOCのほうである(
近代オリンピック - Wikipedia参照)。アマチュアの祭典としておきながら、アマチュアでは客が呼べないからプロを・・・と言い出したのはIOCの方であってFIFAではないのだ。
FIFAは各年代の世界大会を実施している。そのFIFAがIOCとの妥協策として23歳以下の世界大会をオリンピックに割り当てただけで、IOCがプロを解禁せずにアマチュア選手権でやっていてもらえればこんなことはなかったのだ。それを忘れちゃ困る。逆に19歳以下の大会にすればクラブとの仲たがいも最小限に抑えられるし、国のチームとしての強化も今までよりずっとやりやすくなるだろう。国の威信をかけて戦うのであれば、オリンピック男子サッカーは19歳以下にしたほうがいいかもしれない。
いずれにせよ、そもそもFIFAはオリンピックを必要以上に重要視していない。現実としてサッカーの最高峰はワールドカップであり、オリンピックは年代別大会の一つにすぎない。サッカーにはそのほかにもヨーロッパ選手権だのクラブチーム世界一を決める大会など様々な大会がある。そしていずれの大会もその集客力も半端では無く、単独競技としては異様なほどの人気だ。サッカーは単独でもさまざまな大会がある世界で一番人気のあるスポーツなのは誰もが認めるところであり、なんでもかんでも詰め込んだごった煮のようなオリンピックとは根本的に違うのだ。そんなことを理解できていない記者がいるのであれば、もう記事など書かないほうがいいだろう。
と、オリンピックと高校野球が嫌いな俺がついかっとなって書いた。反省はしていない。