北島が平泳100mを世界新記録で堂々の金メダル、200mもオリンピック記録でぶっちぎりの金メダルと、2階級を2連覇するという驚異的な偉業を成し遂げた。やはり世界のトップはちがう。期待を裏切らず前評判どおりにバカみたいに強い。ノルディック複合の荻原健司、スピードスケートの清水宏保、柔道の山下泰裕や野村など、とにかく世界のトップに長い間君臨した選手は調子が良くない状態でも優勝できるレベルにまで到達していた。言うまでもなく、今回銅メダルを獲得した谷もそうだ。
世界のトップは、通常の力を出せればほぼ負けないレベルにまで到達している。もしかしたら8割くらいでも負けないレベルかもしれない。100%出せれば最強であり、120%まで行ったら無敵だ。そのようなレベルにまで這い上がったからこそ長く世界のトップに君臨できるのだろう。そして、ピークを外さず全てをしっかり仕上げてくる。予測不能のアクシデントや実力が多少衰えても、谷のように銅メダルを取れるほどの力を持っているのは恐るべしである。
サッカーも同じで、ブラジル、アルゼンチン、ドイツ、イタリアなどはどんなに前評判が悪くても何故か勝ち上がってくる。それに対し、日本が男子サッカーに求めているのは120%の状態だ。持てる実力を出し尽くした上で更なる奇跡や火事場のバカ力を期待する。たまたまワールドクラスのプレーが出来てもまぐれは二度と続かないのにである。最高の状態だけを記憶しそれを望む。望まれた方も大変だろう。
サッカーオリンピック代表について、辛口のセルジオ越後がいいことを書いている。
決定力不足でなく実力不足/セルジオ越後
オシムじいさんが監督に就任してから、セルジオのコラムは少々頂けないと思うことも多かったのだが、今回のコラムは素敵だ。
監督や選手の質だけじゃなく、もっと根本的な問題があるんじゃないかな。例えばJリーグ。プロリーグをつくったのは何のためだったのか。世界で勝つためでもあったはずだ。J1は18チーム、J2も22チームまで増やすそうだが、拡張路線で肝心のレベルが下がっている。J1、J2とも14チームぐらいにしてJ3をつくるとか。力が拮抗(きっこう)し、凝縮された中で強化していかないと、選手のレベルなんて上がってこない。
これ、いいかも。もっと言ってくれ、もっと騒いでくれ。
もう一段上のレベルで勝ち負けを論じられるような代表になってほしいと思う。