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2007年06月12日

真性ネットイナゴはブックマークをした人間ではない

[つれづれなるままに]
池田信夫 blog はてなに集まるネットイナゴ

真剣にエントリをアップしている人にとって、意味不明のコメントや品位を疑うようなコメントがつくことはとても心外であるのは確かだ。実社会においては身なりなどで「招かれざる客」を判断することも出来るが、ネットの場合その選別は非常に難しい。実社会のように人間がリアルタイムで入店の判断をすることが原則的に不可能なのがネットだ。

もう一つネット社会で面白いのは、例えば実社会で「あなたは当店への入店をお断りいたします」みたいに言われた場合、相手に聞こえないような声でつい口にしてしまうかもしれない「おたかくとまってんじゃねーヨ」のような捨て台詞を形として残すことが出来る点だ。入店拒否された店の入口の横に堂々と「ふざけんな」と落書き出来るのである。これがネット社会ならではの特徴であり、ネットに棲息するための前提として強く認識すべき特徴だと思う。こんなことは今さら言うまでも無い現実のことだが、これを是とするか非とするかは好みの問題だろう。

コメントなどで程度が知れる単語のみを多用する人は、単に他の言葉を使ってうまく反論できないためか、もしくは「感情」のみで生きているためだと思われる。特に後者の場合は重傷で、判断基準が全て「己の感覚」だけで構成されている恐れがある。そしてその感覚は実際は自分のものではなく、他人が作り出したイメージによって構成されている方が多いのではないか。簡単に言ってしまえば「自分の意見が無い人」、「思考が停止している人」で、こういう人はネットだけでなく実社会でもイナゴと呼ぶべきだと思うのだが、実社会では一般大衆などという都合のいい言葉で呼ばれているようだ。ネットでイナゴなどと揶揄されるのは、実社会では音波として消えてしまうイナゴのつぶやきが、ネット社会ではデジタルデータとして保存されてしまっているため後になっても確認できるためだけだ。実社会でも国会という場面で住民の代表であるはずの議員が野次を飛ばす国だから、ネットイナゴの口(手)が滑ってもなんら不思議ではないように思うのだが如何だろう。ただし、これは字数などにあまり制限のない場合の話で、はてなブクマの場合は字数の制限があるため当てはまらない面も多々あるのは言うまでもない。

タグやコメントの単語もさることながら、はてなブクマはイナゴ収集という意味ではかなり有力なツールだ。ブックマーク数が増えてはてなブックマークのトップページに載ったとき、一時期的だがアクセス数は跳ね上がる。内容云々よりブックマーク数とタイトル名だけで一気にアクセスが増えるのだ。しかし、ブックマークをするのははてなに集まるものの中でまだ能動的な人間であろう。つまり、本当のイナゴはその結果だけで動く者たちを言うのであってブックマークをした人間ではないのである。真性イナゴは言葉を発しないのだ。

しかし、このイナゴの集団は誰も無視はできないはずだ。イナゴには悪貨とか良貨とかいった意識すらなく、そのくせパワーだけはある。大きなうねりとなって目の前のものを食いつぶしていくからあたかも意思があるように感じるかもしれないが、それは事が起こってから後付けされたものだろう。つまり悪貨も良貨もイナゴには駆逐されるのだが、イナゴには意志はないのである。その意思のないイナゴを如何にしてまとめあげ誘導するのかが腕の見せ所であり、そういう意味では池田信夫 blog はてなに集まるネットイナゴというエントリはよく計算されたすばらしいものだと思う。



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posted by oyajiman at 2007年06月12日 07:32:00



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