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2009年05月12日

「100円マック」でも儲かるなんてレアケース

[うんちくん]
なぜ「100円マック」でも儲かるのか:マック式ファイナンス論(プレジデント) - Yahoo!ニュース

さてさて、この記事を読んで納得した人は少々アブナイ。なにがアブナイって、こういう販売方法で利益をあげることができるなんてことはほとんどありえないからだ。これはマクドナルドだからできる事と思った方がいい。

理由は簡単。販売数が20倍になるなんて普通はありえないし、先日のエントリでも書いたとおり、人間の胃袋は突然大きくなったりしないからだ。

例えば、月商3000万円のマクドナルド店があったとしよう。客単価600円とすれば月間の客数は50000人。一人一個はハンバーガーを食べると仮定しても5万個は売れていることになる。これがすべて20倍になるわけではないだろうが、仮に5万個を20倍すれば100万個となる。あいやー、人口20万の都市なら、市民全員が最低一週間に一回はハンバーガー食ってることになるね。マクドナルドの主購買層は15〜50才くらいだろうから、この人たちに至っては一週間に2・3個はハンバーガを食ってもらわんと達成できない数字なんだよ。

これは最初はありえる話かも知れない。しかし、そんな状態が続くなんて有り得んだろ。ハンバーガーばかり食ていたら飽きちゃうし、安いから次第に金が余ってその金でちょっと贅沢するしね。すると、ハンバーガーがそんなに「ばかウマ」って物でもないってことが再認識されて・・・以下繰り返しで最後は結局「価値と価格」のバランスしたところに落ち着くわけよ。というか、商品価値は値段で決まるんだよね。だから、その価値を下げる安易な安売りはダメなんだよ。この記事が出たときは我が世の春みたいだったけど、その後をみてご覧よ。この「安さで無理やり食わせた」ツケで、一時期マクドナルドは大変な状況になったじゃないか。

改めて言うけれど、食い物屋はもう一つのバランスがあって、それは人間が食べる量には上限があるってことからくるバランス。この食べる量を巡って、自炊(食料品販売)とか中食とか外食とかが奪い合っている。当然ここには「値段」も絡むけれど、実際の上限は「食べる量」で決まる。この一つのパイを如何にして奪うかという話なんだ。とにかくパイを奪いたいなら、そこそこの食事をタダで提供すれば一人勝ちできるだろうけど、そんなの続けられるわけもない。上記のマクドナルドの100円バーガーなんてこの手法に近い物だよね。で、一時期勝ったように見えたマクドナルドも、結局以前に近い状態に戻った。いわゆる「勝者」は誰もいないんだよね。

だから、あくまでこう言う例もありましたレアケースだけど、としておかないとね。

しつこいけれど、やっぱり商売は「価値と価格のバランス」だろ。バランスを意図的に崩したツケは、必ずどこかで出るもんだよ。

これからの低成長というかゼロ成長時代は、誰かが勝ったらその数倍は敗者が生まれることになるだろう。そうすればゼロ成長どころかマイナス成長に突入だ。欲の皮を突っ張らせる奴が多ければ多いほどヒドい状況になりかねないと思うよ。そういう意味でも、こういう話を信仰しちゃダメだね。

[関連エントリ]
商品価値は値段で決まる
安売りはだめだっていっただろ


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posted by oyajiman at 2009年05月12日 23:00:00



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