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2008年03月02日

私をアメリカに連れていって

[Man of Kind] あとで読む
かなり昔の話。

ある日裏のデスクにいた俺は、アルバイトに「店長、ちょっと来てもらえますか・・・」と内線で呼び出された。どうしたと尋ねても「ちょっと・・・」としか答えない。

店に出て見ると、他のアルバイトも怪訝そうな顔をして立っている。どうしたのだと小声でアルバイトに尋ねると「あのお客さん・・・」と言う。アルバイトが見た先には、カウンターに座った一人の中年の女性がいた。

「あのお客さん、なんか一人でブツブツ言ってるんですよ。まるで誰かに話しかけるみたいに。注文は二人分ですし、なんだか恐いんですけど・・・」

アルバイトはそういって黙ってしまった。俺はさりげなくカウンター席の近くに行き、聞き耳をたてた。カウンターにはコーヒーカップがふたつ置いてあり、その女性の隣の席には誰もいない。

「そう、そうなの・・・。私をアメリカに連れていって・・・。」

その中年の女性は誰かと会話するように、空いた席に向かってその言葉を何度も繰り返していた。にこやかに笑いながら会話を続けているが、その女性の隣には誰もいない。

この女性には何が見えていたのであろうか。



かなり前になんで電車内で携帯で通話しちゃいけないの?というエントリを書いた。このときはあまりにエントリ内容が異なるのでこの話は書けなかったが、携帯が嫌われる理由のひとつに、「見えない誰かと会話している様が不気味に見える」という事があると思っている。


posted by oyajiman at 2008年03月02日 01:28:00


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