先日ちょっとした打ち合わせの中で、とある会議の時間を短縮しようという話が出た。この会議は経営者に対しての報告の場なのだが、今までと同じ頻度で開催しつつ時間短縮する場合、報告する側がやるべき事は2つである。1つめは報告者(部署)の数を減らすこと、2つめは報告内容をしぼることである。要は今までよりも報告項目、報告内容ともに
ダイジェスト版にする必要があるわけだ。こんなの誰が考えたってわかることである。同じ開催頻度で時間短縮するには端折るしか方法はない。
ということで、報告する人数と持ち時間を限定しようという話になったのだが、とある奴が「5分間なんかじゃ報告できない」などと言いはじめた。適当な報告ならそのくらいでもできるが、きちんと報告するなら5分間では短いというのだ。
ちょっとまて。逆説的なつっこみをすれば「じゃあ何分だったら報告できるんだ」である。実際に話してみると5分間というのは意外に長いものだ。5分で報告するということは、報告すべき内容を重要度の高い順に5分以内で簡潔にまとめるだけの話だ。経営者に経営状態に大きく影響しそうなポイントを伝えれば良いのであって、こまごまとした話はすればするほど逆効果なのをわかっちゃいない。要は5分間にまとめられないことをもっともらしく言い訳しているに過ぎないし、そういうやつの言葉は多分何分喋っても何も伝わってこない。
こういうことを言うのは、はっきり言えば「自分は優先順位をつける能力に劣っている」、もしくは「簡潔な言葉で要点だけ述べる能力が無い」と白状していることで、自分の能力の無さを自分から吐露しているようなものである。
優先順位を付ける能力は、なにごとにおいても非常に重要な能力だ。これがないと無駄なことばかりしてしまい、生産性は一向にあがってこないだろう。簡潔な言葉で要点だけ述べるという能力も、優先順位を付ける能力に一部依存する。これらは思った以上に難しいし、訓練すればある程度は身についてくるものである。日頃から訓練しておいて損は無い。