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2004年12月03日

飛び込み

[だめだこりゃ株式会社]
俺はその計画書を手に、メインバンクの支店長に会った。本来であればとんでもないことだ。会社幹部を飛び越え、一介の社員がメインバンクの支店長と会って会社のことを話すのである。首になってもおかしくない話である。

メインバンクの支店長はその計画書にさっと目を通しただけであったが、とりあえずは話を聞いてくれた。俺は、今後きちんとした事業の再構築ができれば十分再生可能であること、そのためには人員整理を含めた多少の資金が必要であること、その資金は数年で十分回収可能であることなどを説明したが、支店長にとってはごく当り前の話であり、逆に何でわかっていて進めないのかと質問された。

「それは誠に言いにくいことでありますが、御社のOBであります取締役がなかなか乗り気にならないからです。」

俺は問題の根源をはっきりと述べた。この取締役が全てをおかしくしているのは、誰の目からも明らかなことなのだ。

支店長は少し困ったようなそぶりを見せ「そんな人じゃなかったんだが…。彼も歳をとったのかなぁ。」といった。

「一番確実なのはリストラなんだよね。リストラはやればやった分だけ効果が出るものだから。それを御社も進めなきゃならないことは、彼もよくわかっているはずなんだけどなぁ。」

「取締役は人を大事にするかたですからなかなか決断できないのは致し方ない面もあるかと思いますが、そう言っていられる状況ではありません。また、非常に冷たい言い方ですが、こういう状況にまで持っていってしまった責任の大部分は現在の要職についている方々にありますので、交代もやむをえないのではと思っています。我が社のオーナーも経営を御社OBの取締役に任せた以上、なかなかはっきりと意見できないのが本音のようです。誠に勝手ではありますが、メインバンク様のほうから取締役を説得していただけませんでしょうか。」

俺は言葉を選び答えた。

この支店長はOBの権力が強いこの銀行のなかでも比較的骨のある人で、我が社に訪問して直接このOBの取締役に意見をしたりしたことがあった。俺はその力にすがってみたのである。

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posted by oyajiman at 2004年12月03日 11:48:35



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