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2010年11月18日

後出しジャンケンでは人は育たない

[これでいいのか]
どこの会社でもよくある話だと思うが、決算報告になると途端に数字にツッコミを入れてくる奴がいる。「この数字はおかしくないか?」とかという疑問ならまだいい。問題なのは「なんでこんなに費用をかけているのだ」という発言である。そんな発言が決算報告を聞くような立場の人間から出るのはとんでもないことであることを、発言している輩は多分気がついていない。

会社の金を勝手に且つ自由に使える人間というのは、会社には通常存在しない。だから、調べようとすればいつでも現在の経営状態というのはわかるものだ。ましてや、日々しっかりとお金を管理している会社であればなおさらだ。だから、月で締めてみなくても大体のところはわかっていてもおかしくないし、決算報告を受けたりする立場の人間であれば現在の状況を大雑把にでも掴んでおくのが筋というもの。その状況をまったく把握していないから、出てきた数字がおかしく見えるのである。

ではなぜおかしい数字に見えるのか。それはすべて思い込みのなせる技である。「忙しいから業績もいいはずだ」とか「今月は一昨年のいついつと同じような状況だから・・・」とか、とにかく経験則とか思い込みとの数字しか頭に入っていない。そして、人間は自分に都合がいいことしか覚えていないものである。それはバブルのころの景気のよさを未だに忘れられずに「昔はこんなだったんだぜ」なんて言う人間が未だに多いことでもよくわかる。

こういう思い込み人間の一番困る点は、思い込みの数字と違っていた責任を誰かに取らせようとすることだ。「なんでこんなに費用がかかっているのだ!」「人件費が高すぎる!」「コストはもっと下げろ!」いずれもよく聞く台詞だろう。そんな言葉は数字を比較すれば誰でも言える。小学生でも指摘する基準を教えれば言えるはずだ。何で費用がかさんだのかを十分に吟味するのであればまだ救いがあるが、そうで無い場合は言うだけ時間の無駄だし言われる方も気分が悪いだけだ。それなのに、なぜか決算報告の場は犯人探しの場に変わってしまうのである。

費用がかさむ原因はすべて明確だ。無駄遣いをしているか不正をされているか、もしくはビジネスモデル自体が費用がかさむ構造になっているか、だ。無駄遣いは日々のチェックで削減できるし不正も同じである。思い込み人間が一番やっかいなのは、ビジネスモデル自体が破綻しかけているのに関わらず追求すればどうにかなると思っている点だ。実際費用は締め付けを厳しくすればそれなりに浮いてくる。それが結局はダメなビジネスモデルを無駄に延命させ、大きな破綻を招く結果になるとはまったく考えていない。だからいつまでも過去の栄光にしがみつき犯人探しに明け暮れるのだ。

何もしなければ失敗もしない。そんな環境の中では何も挑戦せず黙っている方が得策だ。そして社員は冒険や新しい挑戦をしなくなり、やりがいもなにも感じない社員が集まる職場と化すのである。

決算は結果だ。そしてたくさんの積み重ねでもある。大きく間違った結果を招く前に対策を立て方向を修正してやることをせず、結果だけを見ての後出しジャンケンに傾注するのは能力が無いとしか言いようがない。

ま、能力がないから人も育てられないし途中での方向修正も出来ないんだけどな。だってこういう人って、自分がどっちに走っているのか自分でわかってないもの。

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posted by oyajiman at 2010年11月18日 23:00:00



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