ヒース・レンジャーが素晴らしいと評判のこの映画だが、俺の感想は「イマイチ」。いや、映画自体はかなり面白い部類じゃないかと思う。つか、面白い。だけど、ピンとこない。
その理由はなんなのかと考えると、「肌が合わない」としか言いようがない。
そもそも論として、この監督のバットマン一作目の「
バットマン ビギンズ」も面白く感じなかった。ハイテクと財力で人間に超人的なパワーを持たせ、それをもっともらしく見せるのもいい。リアリティなヒューマンドラマチックに仕上げるのも構わない。だけどこれはバットマン。勧善懲悪なアメリカンコミックの匂いを消し去られると楽しめない。バットマン ビギンズもそうだったけど物語としてのテンポもあまり変化がなく、盛り上がりもさほど感じない。簡単に言っちゃうと、ヒーロー物なのにスピード感や爽快感がないんだよな。バットマンにリアリティを持たせ過ぎて小さくなってしまった感じ。そのくせヒロインとビルから落っこちてもヒロインは無傷なんてあまりにも現実離れしてるところもあったり、リアリティの持たせ方がバランス悪すぎる。
それに、俺の中にはティムバートン監督のバットマンの印象があまりにも強く残っていて、ブルース・ウェインはマイケルキートンだし、ジョーカーはジャックニコルソンなんだよ。バットモビルはティムバートン作品の方がおもちゃっぽいし断然かっちょいい。いや、ヒースレンジャーはよかったよ。ちょっと怖いくらいだった。だけど何かが違う。バットマン=ヒーロー物という思考回路から抜け出せない俺には面白いとは思えなかったんだよね。
もし主人公がバットマンでなかったら、かなり楽しめたと思うよ。だけどやっぱりバットマンはバットマンだから。
ティムバートンのバットマンは小さい頃にTVでみた奴がかっこよくなって帰ってきてうれしかったんです。だけど、あの作品はあまり日本では好まれなかったみたいですね。クリストファー・ノーラン監督のバットマンは、俺の中で変にイメージが固まっちゃってるバットマンとあまりに違うんですわ。
やっぱり「監督」の作風かなぁ。あと何回か観て、この監督の作風というか雰囲気に馴染めばいいんでしょうけどね。つか、この監督、アメリカンコミックみたいなものより、純粋なヒューマンドラマを撮らせたら抜群じゃないのかと思うんだけどなー。
実際、自分は幼少期に仮面ライダー大好きな男の子だったんですが、こんな漫画とか読むと「うおおおおお!」とメチャクチャ血が熱くなりますしね。
http://www.h7.dion.ne.jp/~n...