先日、またまたメーリングリストに面白い投稿があった。その投稿はメーリングリストの趣旨とは全く違った質問だったので、「そんな議論はここでするべきものではない。」という投稿があったのは言うまでもない。ここまでは良く見る光景なのだが、その後の拒絶された人からの投稿が俺の興味をそそった。
その人曰く
最近どのメーリングリストも投稿がめっきり少なくなったが、その原因の1つには『投稿された内容がMLにそぐわない』と言われることにあるのではないだろうか。そんなに拒絶しなくても良いと思う。少なくとも投稿がゼロ状態よりましではないのか。
以前書いた
メーリングリストの非常識野郎は「それはないわ」と言わざるを得ないが、今回のは認識の違いが見て取れなかなか面白い(今回も「それはないわ」だけど)。
メーリングリストの投稿は確かに減っていると感じる。ただ、投稿が減った大きな原因には「問題が少なくなった」ことがある。例えばLinux系などでは、昔はきちんと動かすだけでもそれなりの工夫やテクニックが必要だった。そのナレッジベースのひとつとしてメーリングリストは最大限に活用されていたと思う。しかし、今ではUbuntuなどを見てもわかるとおり、インストールしてすぐ、それもほとんど問題なく使えてしまう。そのような状況で、技術的な質問はほとんど発生しないのは当然の事だ。
また、このような意見が出てくる背景には、メーリングリストをナレッジベースとしての捉えているか、コミュニケーションツールとして捉えているかという
根本的な認識の違いがある。技術系のメーリングリストはナレッジベースとしての色合いが強く、登録時にその主旨の事がかかれていることが多い。登録している人もその主旨を理解している人がほとんどだろう。
ただ、メーリングリストのなかにはコミュニケーションツール的に使われている所もあるのだろうか、この投稿者のように内容よりも「
賑わい」を気にする人もいる。ぴしゃっと手を叩かれたことに対する不満で先のようなことを述べたのであれば論外であるが、技術系メーリングリストに限って言えば「賑わい」を求める方が間違っている事の方が多い。実際、新しいヴァージョンがリリースされたときなどは投稿数は格段に増加しとても「賑わう」。メーリングリストが静かなことは嘆くことではなく、「何もないのは良い知らせ」と言ってもいいだろう。
さらに、ノウハウを蓄積させることが大きな目的のメーリングリストは、ナレッジベース生成のためにその分野を絞りこみ、かつ可能な限りノイズを減らさねばならない。だから、その分野から外れた質問、過去にもあった質問を繰り返すのは忌み嫌われるのだ。ユーザのためのナレッジベースを作ろうとしているのであるから当然の話である。その場限りのQ&Aではないのである。その点は十分理解しなくてはならない。
しかし、そのナレッジベース作成を理解していない投稿者に注意をするのも、実は「ノイズ」でしかない。ナレッジベースを目指したメーリングリスト登録者は、その点も十分に理解すべきだろうと思う。
最後に参考リンクをあげておく。注意すべき点がほぼ踏襲されているので一度は必ず目を通しておくといいだろう。技術系メーリングリストのみならず、さまざまなことに応用が効くことまちがいなし。
技術系メーリングリストで質問するときのパターン・ランゲージ
質問の仕方
質問への答え方
[関連エントリ]
質問者と回答者のマナーで納得できないこと
質問者と回答者のマナーで納得できないこと 追記