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2006年01月17日

コスト削減に物申す

[うんちくん]
経営状態の改善や収益改善というと、必ずコスト削減という話が出てくる。しかし、コスト削減という考えはやもすれば縮小均衡のスパイラルに入ってしまうことを忘れてはならないだろう。

数字しか見ていない輩はどうしても出っ張りを凹ませればおつりがたくさん来るという思考回路から抜け出せない。例えば食い物屋で今まで30%であった食材コストが35%になったとすると、「ここが上がったから収益が悪化した」とか「ここを改善すれば…」という風に、このパーセンテージの上昇を悪としか見みないものだ。だからといって具体的な処方箋が書けなるわけではないのにだ。

その言葉を真に受けてしまった結果はどうなるか。必要以上にコスト削減に走れば顧客から見放され、たどり着く先は売上減である。もしくは出っ張った数字を多科目に振り替えなだらかにし、見かけ上の解決を図るかしかないのだ。その先は言うまでもないだろう。

コストパーセンテージは「コスト/売上」である。つまり売上を上げてもコストパーセンテージは下がる。そんなの誰でも知っていることなのだが、実際は数字の罠にはまっている人の多いことにビックリする。商品数が多い会社の場合、コストパーセンテージを下げるのなんて非常に簡単なのである。コストパーセンテージの低い商品を多く売って高い商品を売らなければいいのだ。アホくさい話だがウソみたいに数字が変わるから、試してみればいい。

パーセンテージは指標として非常にいい数字であることは間違いないが、数字が好きな人が陥りがちな罠であることを忘れてはいけないだろう。なぜならパーセンテージは二つの数字から導き出されるものだからだ。変数が二つあるということは、パーセンテージが動く要因は四通りあるのである。コストのパーセンテージはその四通りに商品販売数を掛け合せ、それを全商品合計して始めて全体のコストパーセンテージとなるのだ。つまりコストが動く要因なんて星の数ほどあり、単なるまとまった数字のパーセンテージなど見たって何もわかるわけはないのである。コストを語るには、膨大なデータが必要であり、そのなかにこそヒントが隠されているのである。逆を言えば、コストパーセンテージは動いて当り前なのだ。

銀行の管理下に置かれてしまっているような企業は気をつけたほうがいい。寂しい話だが、金融機関はこういった罠に陥っている人が非常に多いのが事実だからだ。

だが、今コスト削減というと、パーセンテージを下げる議論になりがちなのも事実だ。

だからこそコストの意味は逆から考えたほうがわかりやすい。この売上にコストは…という一般的な考えでなく、このコストをかけていくら売上を作ったかと見たほうがいい。こういう見方をすれば、コストのもつ意味は全く違ったものになっていくだろう。

将来獲得できるであろう売上を想定しながらコストをかけていかなければ、希望はなくなってしまう。その判断こそが経営者に求められるものだと思う。

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posted by oyajiman at 2006年01月17日 08:46:00



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